院長からのメッセージ
急速に進む少子高齢社会は我が国の大きな問題です。
働く若者の減少と高齢者を支える負担の増加によって若者世代は大きな負担をおっていかねばなりません。しかしその反面、高齢者は若い世代の負担とならないような自立した老後を望んでいます。国も社会もお互いの負担を減らすための努力をしていかねばならない時代になりました。患者様が自立した人生を歩めるよう、医療従事者は早期離床を可能にする医療に取り組んでいくことが大切です。早期離床により医療費は削減されて働く若者の負担は減少し、負担を受ける者と与える者が互いに幸せになる社会につなげることができるのです。
当院では最先端の手術や専門分化した診療体制の充実を図りながら、患者様の病気に対して多職種が一緒に考える医療サービスを展開したいと考えております。早期離床のためには看護部門のスタッフだけでなく、医師、薬剤師、診療放射線技師、理学療法士、栄養士、歯科衛生士、ソーシャルワーカー、事務職員などの多職種がチームを組んで、全員が同じ課題と目的を共有して取り組んでいかねばなりません。患者様のために職種間の垣根を越えて前向きに取り組めるスタッフが社会から必要とされています。
「職員全員が患者様にとって最善の医療サービスを考え、患者様の人生が幸せなものになるように」。この姿勢を持って、当院の全ての職員が仕事に取り組んでいます。
▼手を差し伸べる医療
最先端の医療技術の導入を進めておりますが、最後に帰するところの治療は、技術ではなく「温かい手」です。私が幼かった頃に「お腹が痛い、頭が痛い」と訴えたときに母や父の手がお腹に、そして頭に触れてくれた記憶があります。すると不思議と症状が軽くなった経験をしました。まさに医療の原点は手のぬくもりです。かけがえのない生命に差し伸べられるぬくもりのある看護師の手が患者様を救うはずです。
▼生活環境を考慮した看護
当院は大規模な病院ではありません。しかし開業時からの長年のなじみのある患者様が多くいらっしゃいます。カルテには疾病そのものだけでなく生活環境やご家族など患者様の周囲の状況についての情報が蓄積されています。この情報は患者様の生活環境を考慮した医療サービスを提供することができる大きな要素です。疾病を治療するだけでなく生活を幸せにできる看護の体制を整えています。
▼看護業務における情報技術の電子化
看護業務の円滑化には情報管理が欠かせません。オーダーリングだけでなく診療録や看護記録の文書の電子化を、深谷地区の医療機関では最も早く行いました。診療録と看護記録だけでなく、検査記録やリハビリ記録等の他部門の情報にもアクセスできるようになりました。患者様の情報の蓄積と共有を電子化でスムーズに行うことによって、最善の医療・看護を提供しています。
当院の看護師はどなたにでも自慢できる職員ばかりです。10年、20年と長く勤続をする職員が多く、患者様に対して根気よく、そして誠意をもって看護を行い病院を支えています。職員間も誠実で真心をもって支えあう非常によい関係を築いています。初めて社会人となる新米看護師、経験を積んでスキルをもった看護師、職場復帰を考えているブランクのある看護師といった新たに仲間となる看護師が働きやすい環境はどのようなものであるかを試行錯誤しながら準備しています。当院の自慢の看護師が増えていくことが楽しみで仕方ありません。